ウメ輪紋病:伊丹、宝塚などで確認 植木農家、苦境に 樹木・苗木持ち出し禁止、対策定まらず /兵庫
毎日新聞 2013年07月12日 地方版
ウメやモモの木などが感染するウメ輪紋病が伊丹市や宝塚市など阪神間で確認され、植木農家が苦境に立たされている。一部地域では樹木や苗木の持ち出しが禁止され、収入がゼロに近い農家もいる。伊丹市などは2日、国に営業損失の補償や防除対策の予算を確保するよう要望したが、今後どのような対策が取られるかは決まっていない。【山田毅】
「売ることもできず、手入れの費用だけがかさむ。生殺しですよ」。伊丹市東野地区40戸の生産農家で作る「ウメ・モモ・サクラ等生産者の会」の会長、久保吉昭さん(49)はため息をつく。自宅前の敷地には、出荷できないウメの盆栽がずらりと並ぶ。感染が確認された樹木は焼却処分され、国から補償費が支給される。しかし、検査を待つ樹木は農家が保管しなければならない。
ウメ輪紋病は、ウメやモモなどサクラ属と呼ばれる植物に発生するウイルス性の病気だ。葉に斑点が現れ、成熟前に果実が落ちるなどの被害が出る。伊丹市では昨年7月に見つかり、今年2月には農林水産省が伊丹、宝塚、川西、尼崎の4市の一部を防除区域に指定。樹木や苗木の区域外への持ち出しが3年間禁止された。
東野地区は鑑賞用のウメやモモを代々生産してきた農家が多い。久保さん宅には、祖父の代から受け継いできた樹齢100年の盆栽もあるが、感染が確認されれば処分しなければならない。「代々手塩にかけて育ててきたのに、身を切る思い」と久保さんは言う。
感染樹木の調査は続いており、3年後に指定区域が解除されるかは未定だ。久保さんによると、「指定が解除されても、新たな木が育つまでには5〜10年かかる」という。
風評被害も出始めた。収入の足しにしようと、感染とは関係ないレモンなどを栽培して販売する農家もあるが、「感染しているかも」と敬遠されてしまうという。
久保さんは伊丹市などが実施した国への要望活動に同席した。営業補償などについて、農水省の幹部は「前向きに検討する」と回答したというが、不安は募る。「感染を他の土地に広げてはいけないと地元農家は耐えている。でも、このままでは区域が解除された時に農家は全滅している。早く手を打ってほしい」。久保さんの訴えは切実だ。
〔阪神版〕
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130712ddlk28040306000c.html
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