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佐川印刷元役員に逮捕状 グループ資金詐取容疑 海外滞在、帰国し次第拘束へ 京都地検
総合印刷会社「佐川印刷」(京都府向日市)の元役員(61)による巨額資金流用事件で、京都地検特別刑事部が電子計算機使用詐欺容疑で元役員の逮捕状を取ったことが26日、捜査関係者への取材で分かった。元役員は海外に長期滞在中とみられ、入国時に身柄を押さえられるよう入国管理局に「国際海空港手配」の手続きも取った。地検は帰国を確認し次第、逮捕する方針。
捜査関係者によると、元役員は平成21年以降、インターネットバンキングを通じ、佐川印刷のグループ会社「エスピータック」(京都府亀岡市)の資金を詐取した疑いが持たれている。
事件をめぐっては6月中旬、佐川側が刑事告訴したのを受け、地検が同月25日、元役員がシンガポールでレース事業などを展開していた知人男性(55)側の口座に対し、エ社の資金4億円を不正に出金した疑いで強制捜査に着手。京都市内の元役員の自宅や知人男性側の事務所などを一斉に家宅捜索していた。
その後、地検は複数の関係者らから任意で事情を聴くなどし、元役員の刑事責任を追及できると判断。今月に入り、元役員の逮捕状を取得するとともに、国際海空港手配の手続きを取った。同手配により、元役員が空港や港で入国審査の手続きを受ければ、旅券などから手配対象であることがコンピューターで自動的に検知されるという。
元役員の不正は今年1月、流用先の関係者から佐川側への情報提供で発覚した。元役員は直後の社内調査に対し、エ社の資金80億円超を外部に不正に流出させた事実を認め、取締役を辞任。2月下旬には東南アジアへ渡航し、連絡が取れなくなった
これまでに判明した流用先は、元役員の知人男性が主導したシンガポールのサーキット建設や京都府京丹波町の寺院建築名目などの資金(約54億円)▽元役員が代表取締役を務めた別会社への資金(約15億5700万円)▽京都府南丹市のゴルフ場買収資金(7億2千万円)▽モンゴルの金融機関の増資に関する資金(4億円)。
佐川印刷 昭和45年に京都府向日市で創業された総合印刷会社で、日本経済団体連合会(経団連)の企業会員。信用調査会社によると、大手運送会社「佐川急便」と同社の持ち株会社(SGホールディングス)会長が計10%以上の株式を保有している。平成26年4月期の売上高(単体)は681億円。SGホールディングスの関連業務が約25%を占める。従業員数は約1370人。
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