2010年4月13日火曜日

運命の検察審査会





司法ジャーナルの鷲見編集長のご意見が参考になると思いますのでぜひご覧あれ。


【ここが問題】
政治資金規正法違反で小沢氏の不起訴、月内にも結論、東京第5検察審査会の判断のポイント

●本誌編集長の捉え方
 佐久間東京地検特捜部長は小沢氏を不起訴にしたことについて「共謀には共犯者の行為を通じて自らの犯罪をする意思が必要。共犯として有罪を得るだけの証拠が足りなかった」と説明している。

 検察側は石川被告から「土地代金の原資4億円を収支報告書に記載しないことを小沢氏に相談、了承を得ていた」という供述を引き出したが、小沢氏を共犯と認定するのには「小沢氏からの積極的指示、了承した細かい場面」の供述が必要だが、とれなかった。検事の検審に対する説明もこの範囲で行われたと見る。

 しかし、考えてほしい。石川被告から「小沢氏からの積極的指示、了承した細かい場面」の供述などとれるはずはない。議員秘書の最大の任務は議員が刑事責任を問われないようにすることであるからだ。これは議員秘書の「行動原理」である。これまで国会議員が相当数起訴されたが、秘書の供述によって秘書の共犯に問われた国会議員は1人もいない。

 石川被告らに対する起訴事実は、「小沢氏の用意した土地代金の4億円の陸山会の収入を隠すため、虚偽の記入を重ねた」というものだ。

 特捜部は小沢氏を被疑者として取り調べている。

 検事は石川被疑者から、真実を引き出すのが職務、「土地代金の原資4億円を収支報告書に記載しないことを小沢氏に相談、了承を得ていた」という供述を引き出した。その際、攻める検察側が考えることは次のことだ、と私は思う。

 《石川被告と使用者である小沢氏の間には、「会計担当秘書たる者は、土地代金の4億円を受け入れるに際しては、小沢氏に指図されて動くのではなく、その気持ちを酌んで自分の器量で自分が責任をとれるやり方で会計担当の役を果たすものであるという共通の認識があった」というのが》私の常識である。

 そもそも、陸山会の会計で手数料も加えて4億近い土地を購入すること自体が、おかしいのだ。小沢氏の用意した金で小沢氏個人が土地を購入すれば何の問題もなかった。

 それを小沢氏が土地代金の4億円を用意し、その金を陸山会に貸し付け、それで土地を購入したが、「土地代金の原資4億円を収支報告書に記載しないことを小沢氏に相談、了承を得ていた」ので「小沢氏の用意した土地代金の4億円の陸山会の収入を隠すため、虚偽の記入を重ねた」。この流れに不自然、不合理さを感じない人は少数だと思う。そして、その結果、3人の秘書、元秘書が政治資金規正法違反に問われているが、使用者はお構いなし。使用者は『(検察の捜査によって)不正をしていないことが明らかになった』と説明している。3人の秘書、元秘書に不正があったから、裁判にかけられているのではないか。いくら推定無罪の原則があるといっても、度がすぎていると私は思う。最近会った大学教授は「鳩山さん、小沢さんのことを学生に何と講義して良いか、頭を痛めている」と言っていた。こういう先生は高校、中学にも多いのではないか。「小沢さんの言っているのが正しい。鳩山さんは悪くないんんだ。秘書が悪かったんだ」などと教えられる筈はないと思うからだ

 さて、東京第5検察審査会の審査のポイントだが、ポイントは《小沢氏と石川被告の間で前述の共通認識があって、石川被告が『小沢氏の用意した土地代金の4億円の陸山会の収入を隠すため、虚偽の記入を重ねた』と評し得るか、どうか、である。ここをよくよく審査してほしい。石が浮かんで木が沈むような審査はしないでほしい。
http://www.shihoujournal.co.jp/colum/100409_1.html




2 件のコメント:

ミネ さんのコメント...

>鳩山さん、小沢さんのことを学生に何と
脱ゆとりカウントダウン1年で理科の強化がクローズupされてたのは
政治を科学する方の好印象付けかと思ってたけど
そっか、社会科は?とならないムード作りにもなってたんだね
さっすが天然装ってやることが緻密w

、 さんのコメント...

今の情勢を見るに、小沢と鳩山が送検されていなくて良かったんじゃないの?送検されていれば民主の議席が2つ減っただけだが、選挙で落とせばごっそり減らすことが出来るし、この半年間で民主党が失った信頼はもはや回復不能でしょう。
検察はやっぱえげつないわ。