アント、香港・上海上場を延期 中国当局が創業者ら聴取
- 2020/11/3 22:50 (2020/11/3 23:39更新)
【上海=張勇祥】アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループは3日夜、香港、上海で計画していた新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。経営権を実質的に握るアリババ創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が2日に金融当局の聴取を受けたことが理由。民間主導で発展してきたフィンテック分野でも、国家の統制が強まりそうだ。
アントは利用者10億人超のスマートフォン決済アプリ「支付宝(アリペイ)」などを手掛ける。 アントは5日に両市場での株式上場を目指し、調達額は円換算で約3兆6000億円と過去最高になる見込みだった。投資家が払い込んだ資金は返還される見通しで、上場時期はずれ込むとの見方が広がる。
中国人民銀行(中央銀行)などの金融当局がマー氏やアントの首脳の聴取に踏み切った背景には金融システムを巡るマー氏の発言があった。マー氏は10月下旬の上海市の講演で「良いイノベーションは(当局の)監督を恐れない。ただ、古い方式の監督を恐れる」などと述べていた。
アントは銀行への融資先の紹介や信用評価の提供を収益源にしている。従来にない経営モデルで高成長を遂げた背景があり、マー氏の発言は金融当局の監督手法の遅れに不満を示したとの受け止めが多い。
また、アントは上場後の自社株を組み込む投信をアリペイで販売しており、株価のつり上げにつながりかねないとして、当局の不興を買ったとみられる。上海証券取引所は当局による聴取を問題視。3日、アントが上場基準を満たさなくなる可能性を指摘した。
一方、国務院(政府)は10月末に開いた金融安定に関する会議で、イノベーションを奨励すると同時にフィンテック企業などを「全面的に監督に組み込む」と表明していた。銀行、保険の監督当局幹部はメディアへの寄稿で、アントのサービスを名指ししたうえで「銀行が提供する金融サービスと本質的な差はない」と指摘。アント側が高額な手数料を取っており、利用者の実質的なコストが高くなっていると批判していた。
ただ、アントは過去に銀行が融資できなかった中小・零細企業や個人にまで融資の手を広げ、新たな起業や雇用を促し、消費拡大につながってきた面がある。アントが関与する与信が2兆元を上回る規模にまで膨らんでいるのは、それだけの金融ニーズが眠っていたことを意味する。イノベーション企業の成長機会を阻害すれば、中長期的に中国経済の活力を失わせることになりかねない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65796060T01C20A1MM8000/
要するに・・・
1 件のコメント:
中国経済の機関紙
さすがの日経にも書かれましたな(爆)
大量の資金調達で中国国内の金融機関損失を穴埋めしようという目論見はいずこへ
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