「スヌーピー」が400億円で身売り カナダ企業が権利取得
Natalie Robehmed , FORBES STAFF
メディアとエンターテイメント担当
ライセンス企業のアイコニックスブランド社は、同社の傘下でスヌーピーやチャーリー・ブラウン等の権利を管理する企業、
ピーナッツワールドワイド社の株式の大半を売却した。売却先はDHXメデイア社で、金額は3億4500万ドル(約394億円)と伝えられている
DHXメデイアはカナダのノバスコシア州に本拠を置く企業で、子供向け人気テレビ番組の「テレタビーズ」等の権利を保有している。
アイコニックス社が売却先を探しているとのニュースは今年1月から報じられており、アナリストらは売却額を3億ドルと予測していた。
今回の取引は5月10日にアナウンスされた。金額は予想をやや上回るものになった。
スヌーピーの漫画「ピーナッツ」の生みの親のチャールズ・M・シュルツは2000年に死去。
アイコニックスはシュルツの遺族とともに2010年にジョイントベンチャーを設立。
ピーナッツの株式の80%を1億7,500万ドルで取得していた。
今回のDHXメデイアへの権利売却後もシュルツの遺族は、残りの20%の株式を保有し続けることになる。
ロイターの報道によると、現在100カ国以上で配信中のスヌーピー等のキャラクターは年間3000万ドルの利益を生み出しているという。
スヌーピーの生みの親のシュルツは、2016年のフォーブスの「死後も稼ぎ続ける著名人」ランキングでマイケル・ジャクソンに次いで2位につけ、
収入は推定4,800万ドルとされていた。
スヌーピーは生命保険広告から引退
ピーナッツはアイコニックス社にとって最大の収益元となっており、昨年は9500万ドルの売上を生み出し、
同社の総売上3億6800万ドルの4分の1近くを稼ぎ出していた。
しかし、ピーナッツ関連のライセンス事業は近年不振にあえぎ、昨年以外では年間売上が8,000万ドルを超えることは稀だった。
生命保険会社のメットライフは長年スヌーピーを広告に起用し、推定で年間1200万ドルをアイコニックスにもたらしていたが、
その契約も2019年で終了する。メットライフはスヌーピー無しの広告を今年にも始動すると伝えられている。
アイコニックス社のライセンス事業収入は2014年以来減少が続き、2014年には2億4950万ドルの純損失を計上しており、
売却による資本追加は同社の必須の課題だった。アイコニックスは昨年12月には小売店のSharper Imageのライセンスを1億ドルで、
ThreeSixtyグループに売却していた。
今回の売却の報せを受けてアイコニック社の株価は取引開始から0.43%の下落となり、本稿執筆時点で、6.97ドルで取引されている。
編集=上田裕資
https://forbesjapan.com/articles/detail/16113
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