2016年11月10日木曜日

「トランプ大統領」でBrexitに追い風 





もしトランプが大統領になったら…
「トランプ大統領」、Brexitに意外な追い風
英国とEU、離脱交渉で形勢逆転も
2016年11月10日(木)


Brexitの悪夢の再来か――。

英国で米大統領選の大勢が判明したのは、現地時間11月9日の午前4時頃だった。奇しくも約5カ月前、英国がEU(欧州連合)離脱=Brexit(ブレグジット)を決めた国民投票の結果が判明したのと同じ時間帯。事前の世論調査の予測から、報道のされ方、そしてブックメーカー(賭け屋)の倍率まで、ドナルド・トランプ氏の大統領当確に至るプロセスは、英国がEU離脱を決めた時とそっくりだった。

9日午前のロンドン株式市場は、FTSE100種総合株価指数が取引開始直後に一時、2%超下落する場面もあったが、売りが一巡した後は大きな動きもなく、安定して推移している。リスク回避から金価格が急騰する動きなどもあったが、Brexitの時のようなパニック状態には陥っていない。あるロンドンの金融関係者は「今後、トランプ氏の経済政策の具体像が明らかになるまでは不透明な状況が続く可能性が高い」と言うが、その態度は落ち着いていた。金融に限らず、企業関係者も比較的冷静だ。

その理由はもちろん、英国自体が、つい5カ月前に似たような状況を経験したからに他ならない。投票の目的こそ違うが、その流れや構図、そして世界の反応は酷似している。「5カ月前からの教訓は、過度な悲観をしても仕方がないということ」と野村インターナショナルのジョーダン・ロチェスター・FXストラテジストは言う。Brexit直後、多くのエコノミストや国際機関が英国経済に悲観的な見通しを示したが、結果的に経済は今も堅調な状態が続いている。

むしろ、「トランプ大統領」の誕生は、EUからの離脱を進める英国にとって、思わぬ追い風となる可能性もある。
Brexitを支持したトランプ氏

「貿易交渉の順番は、最後列に並ぶことになる」

国民投票前の4月、訪英したオバマ大統領はこう警告し、英国がEU離脱を思いとどまるように警告している。

一方で、トランプ氏は当時から英EU離脱支持を表明し、「離脱した際には、真っ先に貿易交渉を始めたい」と語っていた。国民投票が実施された6月23日の前日、保有するゴルフ場視察のために訪英したほか、8月にはEU離脱派の急先鋒だったナイジェル・ファラージ英国国民党(UKIP)党首を自身の演説会に招いた。少なくともEU離脱を決めた現在の英国に対する姿勢は、オバマ大統領よりもトランプ氏の方が好意的だと言える。

現状、英国はEUとの離脱交渉を巡って駆け引きを続けている。当初、EUへの正式な離脱通告は2017年3月までに実施する予定だったが、11月3日にロンドンの高等法院が「離脱通告には議会の承認が必要」との判決を下したことから、通告時期が遅れる可能性が出てきた。

このため、「EUよりも先に米国と貿易交渉を開始する可能性も出てきた」(野村インターナショナルのケビン・ゲイナー・マネジング・ダイレクター)との見方も出ている。

トランプ氏が志向する保護主義政策の多くは、EU離脱を決めた後の英国政府の方針に似ている。緊縮財政から財政出動へと舵を切り、減税政策を通じて自国の雇用を増やす。移民を制限して、自国民の誇りを取り戻す。英国の方向に米国が続くという見方もできる。

英米の方針はいわゆる反グローバル化の動きだが、トランプ氏が大統領に当選したことで、世界経済のトレンドが決定的に変わったことを世界が認識した。「Brexitはその変化を先取りした動きだったと評価が見直される可能性がある」と、大和総研の菅野泰夫シニアエコノミストは言う。
EUが窮地に立たされる可能性も



逆に、窮地に立たされることになりそうなのが、EUだ。英国、米国と反グローバリズムの動きが続いたことで、その流れが再び欧州に広がっていくおそれが出てきた。

フランスの極右政党である国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首はすぐにツイッターでトランプ大統領当確を祝っている。反EUを掲げる欧州の極右政党にとっても、トランプ氏の大統領就任は追い風となる可能性がある。

Brexitの後も、EUは結束を試される国民投票や選挙が続く。今年12月3日には、イタリアで憲法改正を巡る国民投票が実施される予定だ。否決されれば、レンツィ伊首相は辞任する構えを見せており、反EU政党の勢力拡大につながる恐れがある。

来年3月には、オランダで下院選挙、4月にはフランスで大統領選、9?10月にはドイツ連邦議会選挙が続く。反グローバル、反EUの機運が高まれば、EU側が追い込まれるおそれは十分にある。英国との離脱交渉も、これまではどちらかといえば、EU側が有利に進めていたが、今後は形成が逆転する可能性もある。

「今までも、これからも、英国と米国は貿易、安全保障、防衛面で強く緊密なパートナーであり続ける」。テリーザ・メイ英首相は、早速トランプ氏の勝利を讃える談話を発表した。トランプ氏の正式な大統領就任まで数カ月。状況は未だ流動的だが、英国に取って追い風となるのは間違いなさそうだ。


http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/101200023/110900035/?P=2&rt=nocnt



















で、これにロシアと中国がジョインしたら・・・






、、、(爆wwwwwwwwwwwwww





5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

仏のEU離脱も時間の問題?

匿名 さんのコメント...

イギリスもアメリカも内向きだという論調が席捲しているが
実現不可能な高邁な理想を追求し続け
そこにできてしまった利権構造の価値を再評価し
そこに投資し続けることの見返りを再検討し
より現実的な行動を選択した、ということに過ぎない

高邁な理想の実現のために必要な合意形成がより複雑化し
一方では理想を実現しようというスローガンを維持するための投資を続けるのであれば本末転倒で
そもそもの必要性を吟味することこそ、より現実的な選択だ
無尽蔵のATMじゃない

匿名 さんのコメント...

>無尽蔵のATMじゃない

これIT系の開発でもよく問題になります(笑)
リソース=プロジェクトのヒト・モノ・カネ
IT機器開発でいえばCPUパワー・メモリ・外部記憶容量・インターフェースetcですな
純粋ソフト系の開発者ってよくハード制約無視して設計するんですよ(笑)
これが政治などでいう理想主義者に該当しますな
現実にはハード制約があってその中でリソースを効率よく使う設計を
出来ないと開発者としては失格なわけです(笑)
理想を目指さないと成長もないのは確かですが、やる前から無理な事を
必死にやっても大コケするのがオチなわけです(笑)SMARTな事が大事(爆)

匿名 さんのコメント...

人が世界政府を作って統治すれば腐敗が起きる。
思い上がってバベルの塔をまた作るんじゃない、
ってことだと思いますが。

匿名 さんのコメント...

次期大統領は世界に混乱と恐怖をもたらす疫病神だという印象を与えたいという目的で論調の色をつける方々がおいでだが、そもそもコングロマリットさんがそのような選択をするだろうか。
現実的な取捨選択をすることで、無理な筋を整理して、新たな投資にまわすことは悪いことなのだろうか。