南シナ海問題 中国の主張退け審理本格化へ
10月30日 12時19分
南シナ海問題 中国の主張退け審理本格化へ
南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する中国に対して、フィリピンが、国際法上認められないとして仲裁裁判所に申し立てている問題で、裁判所は29日、裁判の対象にならないとする中国の主張を退け、審理を本格化させることを決めました。
この問題は、中国が、南シナ海のほぼ全域が自国の管轄下にあると主張しているのに対して、フィリピンが、国連の海洋法条約上認められないとして、オランダのハーグにある仲裁裁判所に司法判断を申し立てているものです。
これに対し中国政府は、この問題は当事国が協議して解決すべきもので裁判の対象にはならないとして、仲裁手続きへの参加を拒否しています。これに対して、仲裁裁判所は29日、非公開で行った審理で「フィリピンの申し立ての一部を認め、裁判所が審理を管轄するものとする」として、中国側の主張を退けました。
仲裁裁判所は、フィリピンと中国に対し、弁論や陳述書の提出を求め、来年にかけて審理を本格化させるとしていますが、中国は裁判の手続きを拒否してきたことから、今後審理がどのように進むのか注目されます。
フィリピン政府の主張は
フィリピン政府は、申し立ての中で、南シナ海の領有権の問題を巡る中国の主張や活動について、15の項目を争点として挙げて、仲裁裁判所に判断を求めています。
このうち、フィリピンが最も重視しているのが、中国が南シナ海のほとんどを自国の管轄権が及ぶと主張する根拠としている「九段線」に関するものです。フィリピンは、中国が南シナ海に独自に設定した「九段線」という9つの線が無効であることの確認を求めています。
中国が「歴史的な権利」として、この「九段線」の範囲の中のすべてを管轄すると主張しているのに対して、フィリピンは、国連の海洋法条約上認められないと訴えています。そのうえで、フィリピンは、2012年以降、中国が実効支配を続けている南シナ海のスカーボロー礁や、南沙(スプラトリー)諸島で浅瀬を埋め立てて造成している人工島は、領土として認められないなどと主張しています。
さらに、フィリピンが漁業や海底資源などの経済的な権利を主張できる排他的経済水域で、中国による妨害が続いているとして、仲裁裁判所に対して、中国の活動の違法性を認定するよう求めています。
フィリピン「決定を歓迎」
フィリピン大統領府は「フィリピンに本審理の中で主張を述べる機会を与えてくれた仲裁裁判所の決定を歓迎する」という声明を出しました。
中国 「仲裁裁判所に権限なし」
この問題に関して中国政府は、一貫して「これは領土主権の問題で、仲裁裁判所に審理する権限はない」と主張しています。そして、今回の裁判は「受け入れも参加もしない」と強調していて、陳述書の提出など裁判の手続きを拒否しています。
米国務省報道官「仲裁で解決を」
アメリカ国務省のカービー報道官は29日の記者会見で、「こうした問題は、平和的に外交的に、そして仲裁といった司法のメカニズムを通じて解決されることを望んでいる」と述べ、歓迎する姿勢を示しました。そして、「裁判所の決定は、フィリピンと中国の双方に対して、法的な拘束力を持つことになるだろう」と述べ、中国が、南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張していることに対し、国際法に基づいた判断が示されることになるという認識を示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151030/k10010288041000.html
朝日新聞ですら中国の主張には無理があるとのことですからねえ・・・(爆wwwwwwwwww
1 件のコメント:
"In our response to this ruling, the U.K. will stand alongside the U.S. and the wider international community,"
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