モルドバでウランなど核密輸を3度阻止、米FBI支援で
2015.10.08 Thu posted at 17:51 JST
(CNN) 旧ソ連のモルドバのオレグ・バラン内相は7日、米連邦捜査局(FBI)がモルドバでのおとり捜査などで過去5年で3度にわたり核や放射性物質の密輸阻止を支援していた事実を明らかにした。
この捜査の推移に詳しい米治安執行機関当局者は、密輸の企てにイスラム過激派は絡んでいなかったと述べた。ただ、核物質が「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などの過激派に売却される懸念があったとも明かした。
モルドバでの事例は、兵器転用の恐れもある核物質が闇市場で売却されることを防ぐ努力の一端を垣間見せたとも説明した。
同国での事件摘発は、AP通信が最初に報じていた。
米国務省のカービー報道官は、モルドバでの事件捜査でロシア当局とも協力したと述べた。捜査の詳細や続行の有無などは明らかにしなかったが、今回のような問題はロシア当局と通常連絡し合っていると語った。
米下院情報委員会に所属する議員は、米政府当局者は長年、核物質などが旧ソ連諸国から流出する事態を懸念してきたと指摘。この懸念は現在だけでなく、将来も続くと述べた。
米国務省国際安全保障・核非拡散局の報道担当者によると、米国、モルドバ両国の核密輸阻止の努力は長年続いていた。2011年7月承認の共同行動計画では、放射線が発生する施設での治安強化、放射能探知機器の供与や最善の核密輸対策などを盛り込んでいた。
バラン内相はFBIが捜査に協力して摘発した3件の内容を説明。直近の事件では今年2月、モルドバの首都キシニョフで放射性物質セシウム135を500グラム売り付けようとしていたモルドバ人2人を逮捕していた。同物質83グラムを見本として10万ユーロで売りさばいたことを突き止め、逮捕につなげていた。
この他、2010年7月と11年にも密輸を阻止。11年の事件では、モルドバ独立派の活動が続く地方で入手したウラン235約1キロの売却を謀っていた7人を逮捕していた。この事件ではおとり捜査官にウラン235の少量を売り付けていたという。
国際原子力機関(IAEA)によると、核もしくは放射性物質の盗難や紛失は1993年から2013年の間に計664件発生。このうち最終的に売却された件数は不明となっている。
http://www.cnn.co.jp/world/35071690-2.html
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