日歯連の事務所を家宅捜索

政治団体「日本歯科医師連盟」（日歯連）が二〇一三年、組織内から擁立した石井みどり参院議員（自民）の後援会に、寄付の年間限度額を超える計九千五百万円を献金したとされる疑惑で、東京地検特捜部は三十日、政治資金規正法違反の疑いで、東京都千代田区の日歯連の事務所を家宅捜索した。

規正法は政治団体間の寄付を年間五千万円に制限している。特捜部は押収資料などを分析し、資金の流れの実態解明を目指す。

政治資金収支報告書によると、日歯連は一〇年の参院選で擁立した西村正美参院議員（民主党）を支援する「西村まさみ中央後援会」に、一三年一月二十三日に五千万円を寄付。西村まさみ中央後援会は同日、石井議員を支援する「石井みどり中央後援会」に五千万円を寄付した。

日歯連は二カ月後の同年三月、これと別に四千五百万円を、石井みどり中央後援会に直接寄付した。西村議員の後援会を経由した五千万円の寄付は、年間限度額を超えないようにするための迂回（うかい）献金だった疑いが指摘されている。西村まさみ中央後援会、石井みどり中央後援会はともに、日歯連の高木幹正会長が代表を務め、事務所も日歯連の事務所が入る東京都千代田区の歯科医師会館内にある。

日歯連はこれまでの本紙の取材に「三団体は独立した政治団体。各団体間の寄付もそれぞれが独自に行ったもので、迂回献金ではない」とコメント。石井議員側は「石井みどり中央後援会は日歯連の関連政治団体のため、資金の流れなどは把握していない」、西村議員側は「非常に遺憾で残念」としている。

＜日本歯科医師連盟（日歯連）＞　歯科医約６万５０００人が加入する公益社団法人の日本歯科医師会（日歯）を母体とする政治団体。国政選挙での組織代表の擁立や政治献金を通じて政権与党とつながりを深めた。厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」を舞台とした汚職や、自民党旧橋本派への１億円献金隠し事件が２００４年に発覚した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015043002000241.html

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