不人気の理由には、自販機やATMの対応が進まなかったことや、日本人の感覚に「2」のつく紙幣がなじまなかったことなど諸説あるが、国として結果を分析するような動きは見られない。新紙幣発行の権限を持つ財務省も、「国民の利用する銀行券の券種は、個々の購買活動を踏まえた選択次第であり、二千円札が利用されない原因を特定することは困難」と、首をひねる。現時点では、特に普及を促すような計画もないという回答だった。
そんななか、例外的に二千円札の人気が高く、流通量が4000万枚を超えているのが沖縄県。券面に守礼門が描かれているというゆかりもあるせいか、二千円札全体の4割以上が沖縄一県で流通していることになる。普通に自販機でも使われており、沖縄ではポピュラーな紙幣として出回っているようだ。
普及の背景には、沖縄の行政と経済界が一丸となって二千円札の流通促進を行い、県内のATMの9割を二千円札の入出金に対応させるなど、地道な努力があったよう。また、本土復帰前には20ドル札を含む米ドルを使っていたことから、県民が「2」の付く紙幣の利便性に慣れていたという説もあるとか。
ちなみに、新札発行の噂として折にふれて出てくるのが「五万円札」の話。景気が刺激されるという人もいるが、にわかには信じ難い。いずれにせよ、二千円札と同じ轍は踏まないでほしいものだ。
(呉 琢磨)
(R25編集部)
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